いつも隣にイケメン君
「入江、ちょっとは静かにできんのか。後ろの桜井を見習え。」
「はーい、ごめんなさーい。」
いや、私は静かにしているのではなく、
悲しみに浸っているのであって。
できれば、「なぜだ」と大声で叫びたい気分です。
「じゃあ、紹介するぞ。入江が叫びそうだな。」
せんせーい、私が代わりに叫んでもいいですか?
「伊原、入ってきてくれ。」
先生の一言で、教室のドアが静かに開いた。
そこから見える影に、
みんな目を奪われている。
そして、中に入って来たのはやっぱり、
今日私のベッドの中にいた
梓だった。
梓が入って来た瞬間、
女子の悲鳴と言ったらもう……。
「きゃーーー!!!寿花ちゃんっ、超イケメンだよぉ!私、ホントこのクラスでよかった!!」
よかったね、志津…。
泣いていいですか?
そう思いながら梓を見た時、
不意に目が合った。
すると、梓がニヤッと笑ったような…。
気のせい?
「寿花ちゃんっ、今こっち向いて笑ったよー!カッコいぃぃ!」
志津が喜んでいる…。
っていうか、今みたいな
偉そうな笑顔でいいの?
もっと爽やかな笑顔求めようよ!
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