いつも隣にイケメン君
「寿花。こっちだから。早く上がってこいよ。」
声の先には梓の姿が…。
よ、よかった…。
先にプールから上がり、
その淵に立っていた。
手招きをする梓の方へ歩いて行くと、
急にペチッとおでこを叩かれた。
「たっ……へ?」
私は叩かれたおでこを押さえて
梓の顔を見上げた。
「んな叫ばねーでも聞こえるっつの。」
そう言った梓の顔からは笑みがこぼれた。
その顔を見た瞬間、
私の心は安堵に包まれた。
この時、私の梓への気持ちに確信を持った。
「ほれ。パラソル戻んぞ。」
そう言って差し出された手に、
私は素直に自分の手を重ねた。
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