いつも隣にイケメン君
「キラ様は、ゲームの中の王子様なんだよ。」
それは、突き付けられた現実だと、
私が何度も言い聞かせてきた。
だけど、もう一人の私が納得しないんだもん!
「わかってるよ!!でも……」
私がそこまで言って俯くと、
志津は私の体をそっと抱きしめた。
「あきらめようと思っても、できなかったんだよね。」
志津がそう優しく呟いたから、
私は涙を止めることができなかった。
「でも、今ならできるよ。」
「え?」
志津は私の体を離して、
目と目を合わせた。
「寿花ちゃんには、現実に素敵な王子様がいるでしょ?」
志津は目線を向こうへやった。
その先には、
梓がいた。
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