black rose
プロローグ
バキッ
ドコッ
「いってぇな、何しやがる!」
その男は叫んだ。
「それは、こっちのセリフだ。
俺が誰かわかんねぇだと!!」
相手の男はそう叫んだ。
そして、その時初めて露わになった
男に私は見いることしか出来なかった。
「お、お前は・・・。
black・・・。」
そう囁くや否や、男は吹き飛んだ。
「なんだ。分かってんじゃねぇか。
だったら、ここでこれ以上暴れんな。
次やったらないと思え。」
そう囁いたblackと呼ばれた男に対し
先ほどの男は、一変してそそくさと
逃げて行った。
「あ、えっと、有り難う・・ございました。」
私は消え入るような声で礼を言った。
「ぁあ。
気をつけろ」
彼はそれだけ言うと去って行った。
< 1 / 83 >