black rose


「持病があったみたい。」

「じゃ、急にいなくなったのって。」

「そう、治療のため何も言わずに
 この家を出て行ったの。」


私の頭にははてなしかなかった。


「言うの遅くなってごめんね。」

「遅すぎでしょ。

 今更言われても…。」


「そうね、私も最近まで受け入れ
 られなかったの。」

「だからって…。」

「納得しないのも仕方ない。
 勝手に居なくなった彼も、
 気づかなかった私達も…。

 だから、あんたは幸せになりな。」

母はそう言って、部屋に向かった。

最後に長年受けてなかった母の愛を
受けれた気がした。
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