black rose


電話が終わったようで、また私の
方を向いた。


「手当するからついておいで。」

「えっ!

 そんな、いいですよ。」

でも彼は、いいからと私の赤くなって
ない方の手を掴んで進み始めた。


少し行くと、大きなバイクが置いてあった。
多分彼のだろう・・・。


そんなことを思ってると、
「バイク大丈夫?」
そう聞かれた。

わたしははっ!として大丈夫ですと
答えていた。


驚かせたみたいだねと彼は笑って言った。
すると、何かを思い出したかのように
私に質問した。

「自己紹介まだだったね。」

そう言われて、私も初めて気が付いた。


「えっと、俺は誉田 諒(ほんだりょう)。
 久那紫学園二年で、君は?」


「あっ、えっと、深広高校一年の
 瑞野 美音です。」
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