black rose
それから、諒君のバイクに乗り
何処に向かってるかは分からないが、
手当をしてくれるであろう所に走り
出した。
数十分経ち、目的の場所に着いたのか、
バイクが止まった。
あまりにも走りが心地よかったのか
私は器用に寝ていたみたいだ。
そんな私に、落ちないかと内心
ひやひやだったんだからと、ものすごい
形相で言われて、申し訳ないと再度心の
中で囁いたのだった。
「美音ちゃん、こっちだよ。」
もたもたしてる私に優しく声を
かけてくれた。
「すいません。
もたもたしちゃって…。」
「いいよ。初めてのとこだしね。
不安にもなっちゃうよね。」
と、終始優しい諒君だった。