black rose
エントランスに入るとここはホテル
ですかと言わんばかりの美しさ。
何ってたって、受付らしいものまで
あるんだから・・・。
「お帰りなさいませ。
諒様。皆様お揃いですよ。」
白髪が綺麗なお歳が召した方が言った。
その方に、ただいまと返した諒君。
私も慌てて頭をさげて、諒君の後を
おった。
そんな私にも挨拶をしてくれるという
何という素晴らしい人だと思ったのだった。
「驚いた?」
「は、はい。
そりゃあもう。」
私は興奮気味に言った。
「普通じゃあり得ないもんね。」
続けてそう言った私に、そうだね
と返りてくれた。
そして、エレベーターに乗った。
諒君が押したのはなんと最上階の
ボタンだった。