Tears in Heaven~天国へぼくの涙を~
「ぼくが悪いんだ」


ぼくは、部屋のなかでひとりつぶやいた。


「ぼくが、アズミを止められなかったから……」


ぼくは、胸にこみ上げてくるものを抑えきれずに、ふたたび、大声で吼えるように泣き始めた。


アズミ、ぼくのいちばん大事な人。


もう、きみに、ぼくはエマージェンシーコール(緊急電話)を出来ないの?


薬に依存は駄目だけど、わたしに依存ならうれしいわって、きみは言ったじゃないか。


ぼくは、きみに依存していた。
きみだけを愛していた。
アズミ…アズミ…。


まだアズミの匂いの残るクリーム色のコートを抱きしめながら、ぼくの胸は激しい痛みと悲しみでぐしゃぐしゃになった。
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