嵐の如く~俺様ヤンキーX最強姫+龍・飛翔編~
「……張明さまの言った通り…我侭なお坊ちゃまだ…。トーヤさまの生きる道は
もう決まってます」
「……」
紫岐は俺を嘲笑う。自分の運命を真っ直ぐに受け止めれない…俺を。
「トーヤさまの生きた道は…俺が喉から手が出るほど欲しかった道…俺は7歳で
『黒龍』の連中に父は殺され、母は張明さまの兄…今のドン、江徳さまの愛人にされた。
7歳で光の世界から闇に世界に落とされた。あなたの年頃で既に…俺は殺しのプロに
なっていた」
「……」
紫岐はそう言うと、コートの裾を翻して、扉に向かう。
紫岐の翻したコートの裾から冷たい風と血生臭い匂いが俺の嗅覚を襲う。
ヤツは俺と同い年で既に…人殺しのプロ。
ヤツの纏う空気は葉月よりも…途轍もない怖ろしさを孕む。
あの時アジトの地下で感じた吐き気が俺を襲う。
俺は口元を手で押さえ込む。