凶漢−デスペラード
「あんた、今どういう話しをしてんのか判ってて俺達に聞かせてるんだろうな?もし、この話しがガセだったら、あんた自分がどうなるが判って言ってんだろうな?いや、よしんばその話しが十中八九本当だとしても、親栄会が真っ二つに割れるような爆弾を放り投げたんだぜ。それなりの覚悟はしてんだろうな?」
若杉の巨体がテーブルを今にも乗り越えて、竜治に迫りそうだった。
「お言葉ですが、自分はついこの前、この身体に鉛玉食らわされたんです。事の始まりは尚武会と親栄会の争いっすよ。」
「それは中国人同士のいざこざが…」
「冗談じゃない!何を今更惚けた事言うんですか!」
若杉の言葉に竜治も流石にブチ切れた。
「はっきりとこの事は死んだ澤村も認めていた事だし、あれが中国人同士を使った代理戦争だって事位、世間の者は皆知ってますよ!」
竜治と若杉のやり取りを聞いていた西尾が重い口を開いた。
「神崎さん、そう若杉を責めんで下さい。こいつにしてみれば、あくまで対外的な立場としての意見を言ったまでなんだ。一旦、話しを戻しましょう。続きがまだあるんでしょ?」
西尾に言われる迄も無く、竜治は口ぶり程興奮していた訳では無かった。
ただ、余りにも無神経な若杉の物言いに、一言釘を差したかっただけなのである。
竜治は西尾と若杉に頭を下げ、再び話し始めた。
「蒔田がその気になったのは、古森さんの後ろ盾がもあってなんです。表向きは何十年も前に引退していながら、何かと親栄会内部に影響力を及ぼしてる事は、誰もが知る所です。そもそもヤンと自分をくっつけ、新宿から流れて来た中国人グループと対抗させたのは、古森さんです。この時既に蒔田と互いに利用しあう関係になっていたと思うんです。そう言えば蒔田の内妻が白石組の山中の妹らしいですよね…で、河田の愛人というのが山中の奥さんがママをしている新宿の店の
NO,1…更に尚武会の金田がこの店の常連で、サユリとか言う女にくびったけになっている…奴ら、女絡みに繋がっていたんです。もう一つ付け加えるなら、荘の息の掛かった中国エステに奴らが入る所をヤンの手下が何度も見ているそうです。奴らは、それぞれの組で実権を完全に握る迄は、この件を誰にも知られたくなかった…言い方を変えれば、組織の強奪みたいなもんですからね…」
若杉の巨体がテーブルを今にも乗り越えて、竜治に迫りそうだった。
「お言葉ですが、自分はついこの前、この身体に鉛玉食らわされたんです。事の始まりは尚武会と親栄会の争いっすよ。」
「それは中国人同士のいざこざが…」
「冗談じゃない!何を今更惚けた事言うんですか!」
若杉の言葉に竜治も流石にブチ切れた。
「はっきりとこの事は死んだ澤村も認めていた事だし、あれが中国人同士を使った代理戦争だって事位、世間の者は皆知ってますよ!」
竜治と若杉のやり取りを聞いていた西尾が重い口を開いた。
「神崎さん、そう若杉を責めんで下さい。こいつにしてみれば、あくまで対外的な立場としての意見を言ったまでなんだ。一旦、話しを戻しましょう。続きがまだあるんでしょ?」
西尾に言われる迄も無く、竜治は口ぶり程興奮していた訳では無かった。
ただ、余りにも無神経な若杉の物言いに、一言釘を差したかっただけなのである。
竜治は西尾と若杉に頭を下げ、再び話し始めた。
「蒔田がその気になったのは、古森さんの後ろ盾がもあってなんです。表向きは何十年も前に引退していながら、何かと親栄会内部に影響力を及ぼしてる事は、誰もが知る所です。そもそもヤンと自分をくっつけ、新宿から流れて来た中国人グループと対抗させたのは、古森さんです。この時既に蒔田と互いに利用しあう関係になっていたと思うんです。そう言えば蒔田の内妻が白石組の山中の妹らしいですよね…で、河田の愛人というのが山中の奥さんがママをしている新宿の店の
NO,1…更に尚武会の金田がこの店の常連で、サユリとか言う女にくびったけになっている…奴ら、女絡みに繋がっていたんです。もう一つ付け加えるなら、荘の息の掛かった中国エステに奴らが入る所をヤンの手下が何度も見ているそうです。奴らは、それぞれの組で実権を完全に握る迄は、この件を誰にも知られたくなかった…言い方を変えれば、組織の強奪みたいなもんですからね…」