凶漢−デスペラード
久し振りにそのマンションを見上げた。
河田に電話を入れた。
(いよお、もう着いたのかい?)
「ああ…今、マンションの前だ。」
(じゃあ、そのまま201号室へ……待ってるよ。)
車から降り、外から201号室を窺ってみた。
気のせいか、窓のカーテンが少しばかり動いたような気がした。
周囲に人気の無いのを確かめながら、マンションの入口に立った。
暗証番号は変わってなかった。
オートロックのドアを開け、中に入る。
一階には誰もいない。
竜治は腰に差していたオートマチックを抜いた。
セーフティーを外し、遊底をスライドさせ、薬室に弾丸を送り込む。
エレベーターの前に行き、ボタンを押す。
扉が開いた。
拳銃を中に向ける。
誰もいない。
二階のボタンを押す。
思い直して、竜治は扉が閉まる前にエレベーターから降りた。
横の階段を足音を立てずに上がった。
エレベーターの扉が開く音がした。
同時に複数の人間の足音がし、竜治は階段脇に身を隠した。
坊主頭の革ジャンと、クリーム色のスエットを着た金髪頭の男二人が、エレベーターに拳銃を向けていた。
躊躇うな!
自分自身に言った。
先ず革ジャンの男を撃った。
続けざまに三発。
身体の何処に当たったかは判らないが、男はつんのめるようにして倒れた。
突然予期せぬ方向から現れた竜治の姿を見て、金髪の男は振り向き様に腰を抜かした。
竜治はその男に駆け寄り、殆ど銃口を額にくっつけるようにして撃った。
爆竹を鳴らしたような音と同時に、金髪の後頭部が吹っ飛んだ。
二人の死体を跨ぐようにして201号室に近付いた。
他の部屋からは物音一つ聞こえて来ない。
ドアノブに手を掛けると同時に、竜治はヘッドスライディングをするような格好で中に飛び込んだ。
ほんのニ、三メートル先にロン毛の男が両手で拳銃を構え、震えていた。
竜治が銃口を向けたままゆっくりと立ち上がると、ロン毛の男は引き金を引いた。
河田に電話を入れた。
(いよお、もう着いたのかい?)
「ああ…今、マンションの前だ。」
(じゃあ、そのまま201号室へ……待ってるよ。)
車から降り、外から201号室を窺ってみた。
気のせいか、窓のカーテンが少しばかり動いたような気がした。
周囲に人気の無いのを確かめながら、マンションの入口に立った。
暗証番号は変わってなかった。
オートロックのドアを開け、中に入る。
一階には誰もいない。
竜治は腰に差していたオートマチックを抜いた。
セーフティーを外し、遊底をスライドさせ、薬室に弾丸を送り込む。
エレベーターの前に行き、ボタンを押す。
扉が開いた。
拳銃を中に向ける。
誰もいない。
二階のボタンを押す。
思い直して、竜治は扉が閉まる前にエレベーターから降りた。
横の階段を足音を立てずに上がった。
エレベーターの扉が開く音がした。
同時に複数の人間の足音がし、竜治は階段脇に身を隠した。
坊主頭の革ジャンと、クリーム色のスエットを着た金髪頭の男二人が、エレベーターに拳銃を向けていた。
躊躇うな!
自分自身に言った。
先ず革ジャンの男を撃った。
続けざまに三発。
身体の何処に当たったかは判らないが、男はつんのめるようにして倒れた。
突然予期せぬ方向から現れた竜治の姿を見て、金髪の男は振り向き様に腰を抜かした。
竜治はその男に駆け寄り、殆ど銃口を額にくっつけるようにして撃った。
爆竹を鳴らしたような音と同時に、金髪の後頭部が吹っ飛んだ。
二人の死体を跨ぐようにして201号室に近付いた。
他の部屋からは物音一つ聞こえて来ない。
ドアノブに手を掛けると同時に、竜治はヘッドスライディングをするような格好で中に飛び込んだ。
ほんのニ、三メートル先にロン毛の男が両手で拳銃を構え、震えていた。
竜治が銃口を向けたままゆっくりと立ち上がると、ロン毛の男は引き金を引いた。