凶漢−デスペラード
道玄坂の途中にあるファミレスに入り、久し振りにまともな食事をした。
ジュリにちゃんと食ってるのか、などと言ったが、実際のところ、竜治自身の方がまともな食事というものをしていない。
ゆっくり、気持ちを落ち着けて……
会話と温もりの中での食事……
随分と久し振りのような感じがした。
新しい仕事の話しに興味を示して来たジュリは、
「アタシも働いていい?」
と言って来た。
「働くって、お前は未成年だろう。それに、デークラだから、本番無しってわけじゃないんだぜ。」
「そんなの判ってるよ。でも、今迄だって援交してたし、そういうお店にも居た事あるから、かえってリュウちゃんより業界の事は詳しいもん。」
食後のデザートを口一杯に頬張る眼の前の少女の姿と、話す言葉のギャップが、竜治には不思議に思えた。
「それに、知り合いの女の子でデークラで働いてる子が何人かいるから、声を掛けてもいいし。何だったら、今から掛けてみるね。」
「お前…何だか遣り手ババアみたいだな。」
「何?遣り手ババアて?」
「今のお前みたいなババアの事。」
「アタシまだババアじゃない。」
こういう意味の無い会話というのも、何だか久し振りのような気がする。
たまにはいいもんだな……
「ねえ、お店の名前、なんていうの?」
「前は『フェアリーテール』という名前だったんだが、新しい名前にするつもりなんだ。」
「可愛いらしい名前にしない?」
「そうだな…」
正直、竜治は店名にそれ程気を回してなかった。
名前で客が飛び付くような業種でもないだろう……
そう思っていた。
「お前…なんでそこ迄俺に肩入れするんだ?」
ふと思った疑問をそのまま口にした。
「ええ……」
暫く間を置いてから出て来たジュリの言葉は、意外な答えだった。
「リュウちゃんの事、好きになったから……」
「…お前、それは勘違いじゃねえのか?一晩泊めて貰って、飯食わして貰ったから、ただちょっとばかり優しくされたから、そう思いこんじまっただけじゃねえのか?」
「…かも……でも、好きになってるっぽい…」
「簡単に人を好きになったり、信用したりすると、後が大変だぞ。」
判ってる……
ジュリにちゃんと食ってるのか、などと言ったが、実際のところ、竜治自身の方がまともな食事というものをしていない。
ゆっくり、気持ちを落ち着けて……
会話と温もりの中での食事……
随分と久し振りのような感じがした。
新しい仕事の話しに興味を示して来たジュリは、
「アタシも働いていい?」
と言って来た。
「働くって、お前は未成年だろう。それに、デークラだから、本番無しってわけじゃないんだぜ。」
「そんなの判ってるよ。でも、今迄だって援交してたし、そういうお店にも居た事あるから、かえってリュウちゃんより業界の事は詳しいもん。」
食後のデザートを口一杯に頬張る眼の前の少女の姿と、話す言葉のギャップが、竜治には不思議に思えた。
「それに、知り合いの女の子でデークラで働いてる子が何人かいるから、声を掛けてもいいし。何だったら、今から掛けてみるね。」
「お前…何だか遣り手ババアみたいだな。」
「何?遣り手ババアて?」
「今のお前みたいなババアの事。」
「アタシまだババアじゃない。」
こういう意味の無い会話というのも、何だか久し振りのような気がする。
たまにはいいもんだな……
「ねえ、お店の名前、なんていうの?」
「前は『フェアリーテール』という名前だったんだが、新しい名前にするつもりなんだ。」
「可愛いらしい名前にしない?」
「そうだな…」
正直、竜治は店名にそれ程気を回してなかった。
名前で客が飛び付くような業種でもないだろう……
そう思っていた。
「お前…なんでそこ迄俺に肩入れするんだ?」
ふと思った疑問をそのまま口にした。
「ええ……」
暫く間を置いてから出て来たジュリの言葉は、意外な答えだった。
「リュウちゃんの事、好きになったから……」
「…お前、それは勘違いじゃねえのか?一晩泊めて貰って、飯食わして貰ったから、ただちょっとばかり優しくされたから、そう思いこんじまっただけじゃねえのか?」
「…かも……でも、好きになってるっぽい…」
「簡単に人を好きになったり、信用したりすると、後が大変だぞ。」
判ってる……