家族チェンジ法

伊藤くんが、同情心からなのか自己顕示欲からなのか、冴えない僕に話しかけてくるのを僕は嫌う。


でも他の皆は遅い時間だからって親が迎えにくるのに、僕ら二人は来ないから。



だから途中まで一緒に帰るしかない。

なんとなくそんな空気。






いつもあのコンビニまで。




僕が週刊漫画を買って、伊藤くんはいつも「それ好きだなー。面白い?」って聞く。


そこでおしまい。

毎週のパターン。

そして学校に行ったら、またお互い全然知らないふり。



グループが違うから。

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