家族チェンジ法
「母ちゃん、いい人いるんだろ? 俺、チェンジするからさ。その人とやり直しなよ」
「何言って……」
「こんな大きな子供いたんじゃ、再婚もできないだろ」
「ヒロキ、言っていいことと悪いことが」
そのまま泣き崩れる。
「母ちゃん、確かに貧乏だし、ヒロキに贅沢させてやれないもんね。大学にだって……」
「ちっ、違うよ母さんそうじゃない」
「いいのよ。いいの。ただ……私、もう行くわね」
母ちゃんは涙を隠すように、ドアを閉めた。
パートにいくために。