甘い毒


これは今から二日前の出来事。


私の父の会社が倒産の危機に陥った。
私は自分の仕事を少しの間休み、父とともに会社の立て直しを行っていた。
…が、倒産は免れない事になった。


父は私が何日も仕事を休んでいることを案じ、「自分の仕事に行っておいで」と言ってくれた。



私の職業は…゙社長秘書゙。



それも天宮財閥、天宮一夜の秘書。天宮財閥とは今日本の政財界においてトップを独走している会社だ。



私が一週間ぶりに会社に出勤すると、父の会社の倒産が噂になっていた。



(…はぁ…情報が早いわね…)




「理子さん、社長がお呼びです。社長室にて待つとの事です…」



私と同じ秘書科の後輩、武田 花(24)が心配そうな表情を浮かべながら声をかけてきた。




「そう、分かったわ。ありがとう」



(社長がよんでる?何の用かしら…)










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