incarnate
出会いと別れが交差する聖夜。
お互いと愛を確かめるように、交わしたくちづけ。
だけど………
それは、またしても突然だった。
賑わう街には不釣り合いな眩しいライト。
突如襲われた恐怖。
道を横断する時に、車が信号無視をした。
あたしは気づかぬ間に、誰かに突き飛ばさて。
凍った地面から、手を伝って冷たさを感じる。
はっと我に戻って道路を見ると、そこに夜の姿はなかった。
どうして?
どうして、あたしを突き飛ばしたりしたの?
あたしを庇ったりするから………。
白がかったアスファルトを、赤く染め上げる何か。
それが血だとわかるのに、あまり時間はかからなかった。
.