キョリの奏でる物語
17歳――




「うぅ―…さむぃ…」


容赦なく肌を刺す冷たい風に負けないように、

私はマフラーに顔を埋めカイロを握りしめた。


凍えてうまく動かない指で必死にメールをうつ。

『もうすぐ着くよ♪』


―――送信っと。


私は少しでも早く逢いたくて軽く走り出した。
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