キョリの奏でる物語
「…ぁの…こうちゃん??私ケーキ作ってきたの。」


「まぢで!?すんげー嬉しいっ!!さっそく食おうぜ!!」


私はこうちゃんの反応を見ながら恐る恐るケーキを箱から出した。


やっぱ形崩れてる…ι

でもそんなこと一切気にしないでこうちゃんは感動していた。


「うわ―うまそー!!いただきます♪」


隣の席で真っ白なケーキを食べるこうちゃんは子供みたいだった。


「めっちゃ美味しい!!」

「本当に!?よかった~!!実は味見できなかったから心配で…」


「えっゆきまだ食ってないの??ほら口開けて。」

少し恥ずかしがりながらも小さく口をあけた。


甘い甘いケーキの味――

でもそれを運んだのはフォークじゃなくてこうちゃんだった。
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