キョリの奏でる物語
「……ぅ…んっ…」


私はいつの間にかベッドに顔を埋めたまま眠っていた。


今何時だろ…??


投げ捨てた携帯を探し画面を見ると23:50だった。


あと10分でイブ終わっちゃうよ…

今年は逢えないのかな…

こうちゃん…

逢いたいよ……――



私はクローゼットの中から赤いコートを出して羽織り、走りやすいようにスニーカーを履いた。


「ちょっと出掛けてくる!!」


こんな時間にっと驚いてるお母さんを後にして、私は玄関を飛び出した。
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