小さな恋【完結】
「早く着きすぎちゃったなぁ……」
17時半前に待ち合わせ場所に着いたあたし。
気合が入っているのは確かだけど、いくらなんでもちょっと早すぎた。
もちろん待ち合わせ場所に他の3人の姿があるはずもなくて。
よし!!待っている間に、高ぶっているこの気持ちを少しでも落ち着かせておこう。
やっぱり、こういうときは人間観察に限るよね。
するとその瞬間、突然顔の前でヒラヒラと大きな手が振られた。
ハッとして、慌てて目の前にいる人物に視線を移す。
その時。ドクンッと心臓が高鳴った。
「真依子ちゃん、……だよね?」
「……――は、は、は、はい!!」
慌てふためくあたしを見て一哉先輩はクスッと笑う。