小さな恋【完結】
廊下の端にある掃除ロッカーを開けると、咳き込んでしまうくらいのホコリが宙を舞う。
その時、ふと二年前の記憶が蘇った。
あたしが掃除当番の日、大知は必ず手伝ってくれた。
掃き掃除があたし。机を運ぶのは大知。床を拭くのも大知。
ゴミを集めるのも大知。
掃除当番じゃないのに、一番頑張るのも……大知。
それを鼻にかけることなく、大知は「よく頑張りました」と言ってあたしの頭をいつも優しく撫でてくれた。
「どうして、手伝ってくれるの?」
掃除が終わってそう聞くと、大知はあたしの手をギュッと握って言った。
「掃除当番って言えば、部活の時間に少しくらい遅れても大丈夫だから」
あの当時、大知はサッカー部のレギュラーを任されていた。
2年生でレギュラーだったのは、大知だけ。
放課後はいつも部活だし、土日は地域のサッカークラブに通っていたから二人の時間はあまりとれなかった。
その時、ふと二年前の記憶が蘇った。
あたしが掃除当番の日、大知は必ず手伝ってくれた。
掃き掃除があたし。机を運ぶのは大知。床を拭くのも大知。
ゴミを集めるのも大知。
掃除当番じゃないのに、一番頑張るのも……大知。
それを鼻にかけることなく、大知は「よく頑張りました」と言ってあたしの頭をいつも優しく撫でてくれた。
「どうして、手伝ってくれるの?」
掃除が終わってそう聞くと、大知はあたしの手をギュッと握って言った。
「掃除当番って言えば、部活の時間に少しくらい遅れても大丈夫だから」
あの当時、大知はサッカー部のレギュラーを任されていた。
2年生でレギュラーだったのは、大知だけ。
放課後はいつも部活だし、土日は地域のサッカークラブに通っていたから二人の時間はあまりとれなかった。