小さな恋【完結】
「元カレのこと、好きなの?」
「……分かりません」
「分からないってどういうこと?」
「好きとか愛してるとか……よく分からなくて」
あたしがそう答えると、一哉先輩はあたしの頭をポンポンっと叩いた。
「焦る必要なんてないって。いつか分かる時が来るから」
いつか、分かる日が来る?
苦しいほどのこの胸の痛みも、いつか説明できる日がくるのかな……?
あたしは一哉先輩に別れを告げると、一人トボトボと家を目指して歩き出した。