小さな恋【完結】

「元カレのこと、好きなの?」


「……分かりません」


「分からないってどういうこと?」


「好きとか愛してるとか……よく分からなくて」


あたしがそう答えると、一哉先輩はあたしの頭をポンポンっと叩いた。


「焦る必要なんてないって。いつか分かる時が来るから」


いつか、分かる日が来る?



苦しいほどのこの胸の痛みも、いつか説明できる日がくるのかな……?


あたしは一哉先輩に別れを告げると、一人トボトボと家を目指して歩き出した。
< 114 / 460 >

この作品をシェア

pagetop