小さな恋【完結】
『俺が学校にいかない理由は真依子じゃないから。お前が気にすることじゃねぇよ』


『でも……』


大知の優しさに甘えそうになる自分にムチを打つ。



『ねぇ……大知。あたしは大知に何をしてあげられるかな……?』


今まで傷付けた分、大知には幸せになってもらいたい。


だとしたら……あたしは何をしたらいいの?


あたしは大知に、何をしてあげられる……――?



『俺は別に真依子に何かしてほしいなんて思ったことないから』


『でも……』


あたしが食い下がると、大知はわずかな沈黙の後、押し殺すような声でこう言った。
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