小さな恋【完結】
「高一かぁ……。なんか初々しくて可愛いね。俺も昔に戻りたい」
「そ、そんなことないですよ!!」
可愛いなんて言葉をサラッと口にした先輩。
あたしがブンブンと首を横に振りながら、顔を緩ませると、先輩は不思議そうな表情を浮かべた。
「てかさ、立ち話もあれだしあそこ行かない?まだ時間も早いし」
「……え?」
「もちろん、おごるから」
先輩の指差した方向にあるのは有名なクレープ屋さん。
「男一人で入るのはちょっと抵抗あるんだよね。ほら、いこ?」
有無を言わさない調子でそう言うと、先輩はスタスタとクレープ屋さんのある方向へと歩き出した。