小さな恋【完結】
「真依子……ちゃん?どうして泣いてるの?」


「あぁ……ごめん。何でもないの」


涙を拭うあたしの顔を繭ちゃんが覗き込む。



繭ちゃんは、幸せ者だ。


あたしが2年前に大知からもらったたくさんの愛と優しさ。


それを一人占めできるんだもん。


「やっぱり真依子ちゃん、大知君のこと……」


みるみるうちに曇っていく繭ちゃんの表情。


あたし、何してるんだろう。


大知の彼女に不安を与えるなんて。
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