小さな恋【完結】
「違うよ……。あたしが好きなのは……大知じゃない」


それは、繭ちゃんへの言葉ではなかった。


自分自身を納得させるための言葉。


あたしが好きなのは……大知じゃない。


「あたしが好きなのは、一哉先輩だから。ほら、この間の……」


「あぁ、あの先輩か。すごいカッコイイよね~!応援してるからね??」


「……うん。ありがとう」


ニコッと笑う繭ちゃんに微笑みかけると、あたしはすぐさま教室を飛び出した。

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