小さな恋【完結】
「ねぇ、大知君。あたしと大知君が付き合えたのって、真依子ちゃんのお陰でしょ?」


あたしのお陰……?


どうして?あたしは何もしてない。


黙っている大知を無視して、繭ちゃんは続ける。


「だから、今度はあたし達が真依子ちゃんの恋を応援しようよ?」


……やめて。


お願いだから、もうやめて。


繭ちゃんが何を言おうとしているのかすぐに気が付いた。


だけど、もう遅かった。



「真依子ちゃんって、3年の先輩が好きなんだって。えっと、一哉先輩だっけ?」


繭ちゃんがそう言うと、大知は再び繭ちゃんの腕を力任せに振り払った。
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