小さな恋【完結】
「いただきます」
「うん。食べて食べて」
先輩に買ってもらった苺クレープを口に含む。
甘みが口いっぱいに広がって思わず顔がほころぶ。
先輩は何故かクレープを頬張るあたしをジーッと見つめていた。
「あ……あの……あたしの顔に何かついてますか?」
「ううん、女の子ってクレープとか甘いもの好きだなって」
「先輩は食べないんですか?」
率先してクレープ屋さんに入った先輩は、あたしの分のクレープだけ買うとすぐに店を出た。