小さな恋【完結】
大知は繭ちゃんと付き合ってるんでしょ……?


それなのに、どうしてあたしとの写真をいまだに部屋に飾ってるの?



「あたし……なに考えてるんだろ……」


そんなこと、本当はどうでもいいはずなのに。


大知が部屋に誰の写真を飾っていようと、あたしにはもう関係ないはず。


あたしには一哉という彼氏がいるんだから。


一哉だけを見つめていればいい。


よそ見をするから、そっちに気をとられてしまうんだ。


分かっているのに、どうしてこんな気持ちになるんだろう。


どうして、こんなにも苦しいんだろう。


自分がどんどん酷い人間になっていくようで……怖いよ。


あたしは唇を一度ギュッと噛むと、再び唯ちゃんのいるリビングに戻った。

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