小さな恋【完結】
あたしはクスッと笑うと、唯ちゃんの頭を撫でた。


「いいよ。お姉ちゃんと一緒に寝ようか?」


「本当に?いいの?!」


「いいよ。お姉ちゃんも少し疲れちゃったから、横になりたかったの」


「わぁ!ありがとう!唯の部屋はこっちだよ!!お姉ちゃん、こっちこっち!!」


パァっと明るくなった唯ちゃんの表情とは裏腹に、あたしの胸は痛いくらいに締め付けられた。


唯ちゃんは人の温もりを求めている。


お母さんが家を出て行ったあと、唯ちゃんはどんな気持ちだった……?


お父さんが仕事で、大知がバイトの日。


唯ちゃんはどんな気持ちで眠りに就くんだろう。


「ここだよー!!」


唯ちゃんに腕を引かれて部屋に案内されたあたしは、唯ちゃんとともに小さなベッドに滑り込んだ。

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