小さな恋【完結】

偽善者

夏休み。


あたしはクーラーのきいた一哉の部屋にいた。


「真依子、来週の夏祭り一緒に行く?」


「……うん。そうだね」


床にぺたっと座り、ベッドを背もたれにする。


一哉の部屋に遊びに来た時、あたしはいつもこの場所に座る。


ここはあたしだけの特等席。



「祭り、楽しみだな」


「うん」


小さく頷くと、一哉はあたしの頭を優しく撫でた。
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