小さな恋【完結】
夏休みに入って一哉と二人っきりでいる時間が多くなった。
一人っ子で両親が共働きをしているから、一哉の家には誰もいないことが多い。
それを利用して、あたしはほぼ毎日のように一哉の家に遊びに来ていた。
家にいると暇であれこれ考えてしまうから。
「真依子、こっち来て?」
「ん?」
ベッドの上に座っていた一哉。
振り返ると一哉は大きな手をあたしに差し出している。
その手を掴むとグイッと引っ張られ、あたしはあぐらをかいていた一哉の足の間に後ろ向きに座らされた。