小さな恋【完結】
『もしかして、彼氏と一緒か?……忙しいとこ悪かった。じゃあな』
大知はあたしが口にするより先に、答えを出した。
ダメ、離れていかないで。
大知……。大知の声をもっと聞いていたい……。
耳にはもう大知の声は聞こえない。
その代わりにプーップーッという機械音が虚しく耳に響いた。
「……元カレ、何だって?」
ベッドから降りた一哉はあたしの横に座り、顔を覗き込む。
「おい、なんで泣いてんの?何か言われた?」
自分でも不思議だった。
何故、頬に涙が伝っているのか。