小さな恋【完結】
食事を終えて店の外に出ると、辺りはもう真っ暗で。
あたしは駐車場の車止めにピョンっと飛び乗って、キラキラと輝く夜空を見上げた。
「あたしはケンちゃんに送ってもらうね!!真依子は……どうする?」
りっちゃんはためらいがちに一哉先輩に視線を向ける。
さすが、りっちゃん。抜け目がない。
りっちゃんの視線に気付いたのか、一哉先輩があたしの隣に移動する。
その時、鼻に届いた甘い香水の匂い。
あたしは照れ臭くなって慌てて足元のローファーに視線を向けた。