小さな恋【完結】
「聞きたい?」


「うん。聞きたい」


あたしがそう答えると、一哉は少しだけ照れ臭そうに頭をかいた。


「ちょっと、妬いた」


「……妬いたって、ヤキモチ焼いたってこと?」


「そういうこと。じゃあ、またな」


「うん、バイバイ」


一哉は笑顔で手を振ると、勢いよく走りだした。


その背中はすぐに暗闇の中に消えていく。

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