小さな恋【完結】
「……一哉、頑張って」
あたしはポツリと呟くと、再びベンチに腰掛けた。
2つ年上でとても大人びて見えた一哉。
そんな一哉も、もがき苦しんでいたんだね。
一哉と付き合って、パズルは完成したつもりだった。
だけど、ピースはうまくハマっていなくて。
形の違うピースを無理矢理押し込もうとしても、ピタリとはまるわけもなくて。
あたしのパズルを完成させるには、大知っていうピースが必要なんだ。
他の誰かじゃなくて、大知じゃなきゃ……。