小さな恋【完結】
「……ありがとう。ちょっとぶつかっただけだし、大したことないから」


「ほら、真依子ちゃんもそう言ってるでしょ?早く下ろしてあげなよ」


繭ちゃんがそう言った瞬間、大知が繭ちゃんの手を振り払った。


「うるさい。ちょっと黙っててくんない?」


「……へ?チョッ、大知……――」


「他の男に真依子を頼む?そんなのありえないから」


大知は呆然とする繭ちゃんを横目で睨むと、あたしを抱えたまま教室を出た。
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