小さな恋【完結】
「何で急に……?もしかして、あいつに何かされたのか……?!」
「違うよ。ちゃんと二人で話し合って決めたの」
「でも、真依子はあいつが……――!!」
「好きだったよ。だけど、本当に好きな人は一哉じゃなかったの」
一哉を見つけ出して殴りかかりそうな勢いの大知にそう告げる。
その途端、大知の顔から怒りが消えていく。
「本当に好きな人……?」
「そう。だから、一哉が悪いわけじゃないんだ」
あたしの本当に好きな人は、大知だから。
大知だけだから。
だけど、この気持ち……
大知には伝えられないよ。