小さな恋【完結】
「真依子ちゃん。ちょっと、立ってよ?」


「繭ちゃん……これは……」


「……――いいから立って!!早く!!」


繭ちゃんはあたしの腕を痛いくらいに掴んで、無理矢理立ち上がらせた。


その途端、体から大知の熱が消えていく。


あたしは一体、何を望んでるんだろう。


繭ちゃんから大知を奪う気がない?


……本当にそうなの?


だったら、どうして無理矢理にでも大知を突き離そうとしなかったの?


あたし、今、すごく最低なことしてる。


繭ちゃんに怒られるのも当たり前だ。
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