小さな恋【完結】
「さっき何してたの?真依子ちゃん、あたしと大知が付き合ってるの知ってるよね?」


「うん……。知ってたよ……」


「前に約束したじゃん!!絶対に裏切らないって!!真依子ちゃんも、あたしを裏切るの?!」


繭ちゃんは興奮気味にそう叫ぶと、あたしの肩を掴んで前後に揺する。


「おい、真依子から手離せよ!お前、どういうつもりだよ?!」


すると、大知があたしと繭ちゃんの間に割って入った。



繭ちゃん……ごめんね。


確かにあたし、繭ちゃんに聞いたね。


繭ちゃんが好きだった人と、繭ちゃんの友達が一ヵ月後に付き合い始めたって。


繭ちゃんは、裏切り行為だってその友達を非難してたね。



今のあたしは完璧に裏切り者だ。


胸の中を鋭いナイフでえぐられてるみたいな痛みが走る。
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