小さな恋【完結】
「さっきから何言ってんだよ。俺と真依子のことに首突っ込むなよ。お前は関係ないだろ?」
「……――うるさい!!大知は黙ってて!!」
繭ちゃんは顔を真っ赤にして大知を睨む。
2年前より大きくなった大知の背中が涙で滲む。
大知と繭ちゃんの関係を悪くさせているあたし。
こんなはずじゃないのに。
どこであたし達の歯車は狂ってしまったんだろう。
繭ちゃんと大知が付き合い始めたと聞いた時、あたしはこの気持ちに蓋をするべきだったんだ。
どんなにもがいても苦しくても、決してその蓋をあけてはいけない。
開けてしまえば、結果は目に見えていたのに。