小さな恋【完結】
繭ちゃんが大知を紹介してとあたしにお願いしてきた時、りっちゃんはそばにいなかった。


もちろん、りっちゃんに話したこともない。


りっちゃんは元々繭ちゃんを良く思っていなかったし、大知を紹介したと言えばりっちゃんが良い顔しないのも分かっていたから。


「大知と真依子ちゃんが付き合ってたって知ってたら、何だって言うの?別にいいじゃん」


「ふぅん。ならさ、あんたの元カレ、あたしに紹介してよ?あたし達、友達でしょ?裏切らないでよね?」


「ねぇ、さっきから何なの?!」


「あたし、知ってるの。あんたが今までしてきたこと全部」


りっちゃんの言葉に、繭ちゃんの顔色が変わった。


「友達って言葉利用して、欲しいものは何でも手に入れるんだって?それ、本当?」


「何よそれ!誰がそんなこと……――」


「あんたに、彼氏とられた子に聞いたの。被害者たくさんいるみたいだけど?」


りっちゃんはそう言うと、静かに話し始めた。
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