小さな恋【完結】
重なる想い
その場に残されたあたしと大知は、屋上の真ん中で向かい合った。
いざ二人っきりになると、聞きたいことが多すぎて頭の中がゴチャゴチャになる。
だけど、今一番聞きたいこと。
それは……――。
「繭ちゃんとは本当に付き合ってないの……?」
繭ちゃんは大知と付き合っているって言っていた。
それに、大知だってずっと否定しなかったよね?
「あの子に告られたけどちゃんと断った」
「でも、繭ちゃんは付き合ってるって……――」
「あんまりしつこいから『勝手にすれば?』とは言った」
大知はハァと息を吐いて、髪をクシャクシャといじる。