小さな恋【完結】
「……繭ちゃんに聞いた?」


「え?何が?」


「何考えてるか分からない時があったんでしょ?その理由、繭ちゃんに聞いたの?」


「聞いてないよ。どうせ聞いても教えてくれないでしょ?それに、聞いたって何の得にもならないし」


「何の得にもならない?繭ちゃんと友達じゃないの?」


「ねぇ、真依子ちゃん、どうしたの?何か怒ってる?あたし、なんかした?」


「……別に怒ってない!!」


「ちょっ!!真依子ちゃん?!」


あたしは手に持っていた学校指定カバンをギュッと握ると、勢いよく走り出した。

< 271 / 460 >

この作品をシェア

pagetop