小さな恋【完結】
「空……見てるの?」


繭ちゃんに横に移動すると、同じように真っ青な空を見上げる。


「空見てるとさ、嫌なこと忘れられるんだよね」


「嫌なこと?」


「そう。友達だと思ってた子に、陰口叩かれたり……とか?」


苦笑する繭ちゃんの瞳がユラユラと悲しげに揺れる。


目の縁が赤く染まってる。


強がってるけど、きっとあたしがここへ来るまでの間、泣いていたんだね……?



「ねぇ、教えてよ。友達ってなんなの?」


「そんなの、口じゃ説明できないよ」


「ふぅん。じゃあ、いい。聞いたあたしがバカだった」


呆れたようにあたしを横目で睨む繭ちゃん。


あたしはそんな繭ちゃんに負けじと挑発的な目を向けた。
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