小さな恋【完結】
「……なぁ、もう少し寝ない?」


大知はあたしの腕を掴んだまま、ベッドに倒れ込む。


「また寝るの~……?」


口ではそう言っているけど、顔が緩む。


あたしはそのまま、まだ温かい大知のベッドに滑り込んだ。



本当は、二人の体温が溶け合うこの瞬間がたまらなく好き。


枕元から漂う甘い香水の香りが鼻をくすぐる。


この間、雑貨屋で買ったピンク色と水色のお揃いの枕。


あたしはいつものようにピンク色の枕に頭を乗せる。


大知は水色。


なんか……すっごい幸せ。
< 292 / 460 >

この作品をシェア

pagetop