小さな恋【完結】
「真依子、今日何したい?」


「ん~何でもいいよ?大知は?」


「俺?俺がしたいことって言ったら……あれしかないでしょ?」


「あれってなに?」


向かい合って喋ると互いの息が混じり合う。


「あれって言えば、あれだよ」


大知の指先があたしのわき腹に触れる。その指は徐々に上にあがってきた。


「……――こら!」


口の端をクイッと持ち上げた大知に気付いて、あたしはおでこにデコピンした。

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