小さな恋【完結】
「なんか唯ちゃんって赤ちゃんみたい~!!」


あたしにしがみついて、3人から顔を反らす唯ちゃんを見てギュッと胸が締め付けられる。


唯ちゃんの様子がおかしいのは一目瞭然で。


あたしはゆっくりと唯ちゃんの腕を自分の腰から外すと、冷え切ったその小さな手をギュッと握った。


大丈夫、大丈夫だよ。



「ごめんね。お姉ちゃんと唯ちゃん、今から行くところがあるの。またね!」


残念そうな女の子達に一方的に別れを告げて、雑貨屋を後にする。


唯ちゃんは俯いたまま、女の子達に目を向けることはなかった。
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