小さな恋【完結】
「泣いても良いんだよ。泣かないのが強いんじゃない」


嗚咽混じりに泣きじゃくる唯ちゃんの背中を必死でさする。


あたしの気持ちが全部、唯ちゃんに届きますように。


今こうして背中をさすっているのは、大知の妹だからじゃないよ。


あたしは、唯ちゃんを本当の妹のように大切に思ってる。


あたしには唯ちゃんが必要だから。


唯ちゃんは『いらない子』なんかじゃない。


『いらない子』なんて絶対にいない。



だから、お願い。


あたしの気持ち、全部全部、この手の平を通じて唯ちゃんに届いて……――。
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